裁判手続−保全処分

保全処分とは

保全処分とは,民事訴訟の本案の権利を保全するための仮差押及び本案の権利関係について仮の地位を定める仮処分をいいます。

保全処分は,正式な裁判の結論が出るまでに時間を要するために不利益が生じる可能性がある場合に,権利等を保全するために仮の決定を下す手続です。

通常の裁判では,仮の地位を定める仮処分を利用することはあまりありませんが,労働紛争では,配置転換命令の無効や解雇無効を争う場合,労働者の地位を確認するために,仮の地位を定める仮処分を利用することがあります。

保全処分のメリット

保全処分のメリットは,権利関係を保全することができるとともに,通常の裁判よりも迅速な判断を下すことが期待できるという点にあります。そして,保全処分の結果,相手方と早期に和解が成立し,終局的な解決に至ることも期待できます。

保全処分のデメリット

一方,保全処分のデメリットは,通常の裁判と異なり,あくまでも仮の権利関係を定めるにすぎないため,終局的な解決ができるわけではないことが挙げられます。

また,保全処分の申し立てによっては,担保金を提供することが要求されることがあり,通常の訴訟以上に申立人の経済的負担がかかることがあります。

さらに,保全処分の申立にあたっては,保全の必要性という要件を満たす必要があり,必要性の要件を欠くと判断された場合には保全処分が否定されることがあります。