■懲戒解雇・諭旨解雇の対処

懲戒解雇・諭旨解雇の対処

1 懲戒解雇・諭旨解雇とは

懲戒解雇とは,懲戒処分として行なわれる解雇のことを言います。

また,懲戒処分と類似した処分として,懲戒解雇を若干軽減した諭旨解雇があります。

懲戒解雇等では,通常,解雇予告も予告手当の支給もなく即時になされ、また、退職金の全部または一部が不支給とされることが多いと言えます。

2 懲戒解雇等の要件

懲戒解雇は,労働者に与える不利益が非常に大きい手続です。

そこで,労働契約法は,懲戒処分について、「使用者が労働者を懲戒することができる場合において、当該懲戒が、当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的理由を欠き、社会通念上相当と認めら れない場合は、その権利を濫用したものとして、当該懲戒は無効とする」(労働契約法15条)として、懲戒権濫用法理を明記しています。

そして,懲戒解雇等も懲戒処分の一つですから,この懲戒権濫用法理の適用を受けます。

具体的には,以下の要件を満たす必要があるとされています。

1 懲戒事由等を明定する合理的な規定の存在

① 懲戒事由及び懲戒の種類が明記されていること

② 就業規則が周知されていること

③ 規定の内容が合理的であること

 

2 規定に該当する懲戒事由があること

 

3 その他の懲戒処分の有効要件

① 平等な取扱

② 処分の相当性

③ 適正手続

 

4 解雇規制に違反しないこと

 

3 懲戒事由例

実際によく問題となる懲戒事由としては,以下のようなものがあります。

①      経歴詐称

②      職務懈怠

③      業務命令違反

④      業務妨害

⑤      職場規律違反

⑥      犯罪・非行

 

4 懲戒解雇等の対処

懲戒解雇等も懲戒処分の一種ですから,懲戒権の根拠と懲戒事由を確認した上で,懲戒権の濫用にあたらないかどうかを検討することが大切です。

特に注意すべき点は,懲戒解雇等があった時点での就業規則を確認することです。

後から就業規則に懲戒事由が追加されることもありますので,現時点での最新の就業規則だけではなく,懲戒解雇等がなされた当時のものも準備する必要があります。
後から追加した懲戒事由にすぎず,懲戒解雇等を受けた当時は懲戒事由がなかったということであれば,当該懲戒処分は無効となります。

なお,懲戒解雇等も解雇であることは変わりませんので,解雇一般の争い方が通用することになります。
 

【参考文献】労務相談実践マニュアル 227頁〜

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