■退職勧奨・退職強要への対処

退職勧奨・退職強要への対処
 

1 具体例

 

「もう会社に居場所はないから,辞めるしかない。」

「早く退職届を書くようにと言われている。」

 
使用者から退職を強く勧められたり,退職を迫られたりする場合,どのように対応すべきでしょうか。
 

2 退職勧奨・退職強要とは

退職勧奨とは,使用者が労働者に対して労働契約の合意解約を求めたり,解約を申し出るよう誘ったりすることを言います。
 
そして,退職強要とは,退職勧奨のうち,社会通念上の受忍限度を超えたものを言います。
 
 

3 労働者に退職勧奨に応じる義務はあるのか?

このように退職勧奨や退職強要を受けた場合,労働者はこれに応じなければならないのでしょうか?
 
結論から述べると,労働者には退職勧奨に応じなければならない義務はありません。
 
判例も,どのような場合であっても退職勧奨に応じるべき義務はないとはっきりと判示しています。
(鳥取県教員事件・鳥取地判昭61.12.4労判486号)
 
 

4 退職勧奨・退職強要に対する対処方法

それでは,退職勧奨・退職強要を受けた場合,どのように対処すべきでしょうか。
 

(1) 退職勧奨・退職強要の拒絶

さきほども述べたように,退職勧奨に応じなければならない法的義務はありません。
 
そこで,退職の意思がない以上,はっきりと断ることが大切です。
 
しかし,それでも退職勧奨や退職強要が執拗に続く場合はどうすべきでしょうか。
 
  

(2) 通知書の送付

この場合,通知書(内容証明郵便も含みます)を送り,退職勧奨・退職強要を止めるよう警告することが考えられます。
 
弁護士に依頼し,弁護士名で通知することも有効です。
 
  

(3) 差止の仮処分

しかし,通知書を送付してもなおやまない場合,退職勧奨や退職強要の差止を求める仮処分を申し立てるという方法も考えられます。

実際に仮処分が認められた事例もあります。
 
  

(4) 損害賠償請求

さらに,退職勧奨や退職強要が行き過ぎている場合(例えば執拗に何度も呼びつけたりすること等),違法な退職勧奨や退職強要として不法行為に該当し,損害賠償請求をすることも考えられます。

  
このように,退職勧奨・退職強要に対しては毅然とした対応が大切です。
 
しかしながら,ご本人だけでは対応することが難しいことも事実です。
そのような場合には,まずは私たち弁護士にお気軽にご相談ください。

 
【参考文献】労務相談実践マニュアル 227頁〜
 

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