■有期雇用契約と雇い止め,解雇

有期雇用契約と雇い止め,解雇
 

1 有期雇用契約とは

労働契約に期間を定める場合には,法律で契約期間の上限が3年に規制されています(労働基準法14条)。
 
一方,有期契約の下限についての強行法規はありませんので,1日単位の日々雇用とすることもできます。

但し、労働契約法17条2項は、使用者に対し、無用な短期雇用の濫用を防止するよう要請していることにご注意ください。
  

2 雇い止めとは

これに対し,雇い止めとは,期間を定めた労働契約の期間満了に際し、使用者が契約の更新を拒絶することをいいます。
 
担当している業務が一時的・季節的な仕事であり、労働者も使用者もこの業務の内容を認識して労働契約に期間を定めた場合、期間が満了すれば、契約は当然に終了します。
 
ですが,仕事が一時的とか季節的というわけではなく,実態としては正社員と変わらないような恒常的な業務を担当し,更新を繰り返してきたような場合はどうでしょうか。
 
このような場面において,更新を拒絶する際に,雇い止めが問題となります。
 
 

3 雇い止めの制限法理

雇い止めについては,最高裁判例も,解雇権濫用法理を類推適用し,雇い止めが否定されうることを認めてきました(日立メディコ事件(最判昭和61年12月4日))。
 
また,労働契約法の改正に伴い,雇い止め法理は制定化されています。

違法な雇い止めということになった場合,使用者は従前の有期労働契約の内容である労働条件と同一の労働条件で当該申込みを承諾したものとみなされることになります。
 
 

4 雇い止めの対処

 
 

(1) 期間の定めのある契約かどうか

まず,終了した労働契約が実際に期間の定めのある労働契約だったかどうかを確認する必要があります。
交付された契約書を確認してみると,実は期間の定めがあると誤解していただけの場合もあります。
 
有期雇用か無期雇用かによって,今後の争い方も変わってきますので,前提ではありますがこの点の確認はとても大切です。
 
 

(2) 雇い止め法理の検討

有期雇用契約であっても,雇い止め法理によって救済されることが考えられます。
 
まずは使用者に対して、雇止めに対する異議を伝えて、期間満了前であれば労働契約の更新の申込み、期間満了後には遅滞なく契約の締結の申込みをすることが必要です。
 
  

(3) 雇い止めの理由の検討

また,雇止めの理由を確認することも大切です。
できれば,使用者に対し,雇い止めの理由を書面で回答するよう求めるとよいでしょう。
 
 

(4) 交渉・本訴・労働審判等

その上で,雇い止めの違法無効を争う方法としては,交渉や本訴,労働審判等の手続があります。
 
いずれの手段が適当かは事案によって異なりますので,慎重に検討する必要があります。

 
【参考文献】労務相談実践マニュアル 227頁〜
 

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