労働訴訟を提起された場合
1 労働訴訟とは
労働訴訟とは,紛争について裁判所に判決を求める手続をいいます。
2 訴訟のメリット
訴訟のメリットは,当事者間の合意にかかわらず裁判所による判断によって終局的な解決を得ることができるという点にあります。
この終局的な解決を得ることができるという点は,他の労働紛争の解決手続にはないメリットであり,この点にこそ訴訟を利用する意義があるといえます。もっとも、企業側からすれば、積極的に労働者との労働紛争に関し、訴訟を提起することは少ないかと思われます。
労働紛争における訴訟手続は、多くの場合、労働者側から提起することになります。
したがって、労働訴訟では、企業側は多くのケースにおいて、受け身の立場に置かれることとなります。
3 労働訴訟のデメリット
一方,労働訴訟のデメリットは,終局的な解決を得るまでに長時間を要する傾向にある上,当事者本人で遂行することは困難であり,弁護士に依頼することが一般的であるため,弁護士費用等を含めた訴訟活動に伴う経済的負担も大きいという点が挙げられます。
また,労働訴訟にまで発展した場合,労働者と使用者の対立も相当大きくなることが一般的です。
企業側にとっても、労働者側にとっても、訴訟対応まですることは、その分の負担が大きくなることには留意する必要があります。