相談内容
会社の従業員であるAさんから、上司のBさんがパワーハラスメント(いわゆるパワハラ)を行ったという訴えが出されました。Aさんによると、Bさんが「なんでこんな仕事もできないんだ」と罵り、頭を叩いたというのです。
Bさんは暴力を否定していますが、目撃者がいるらしいです。
Aさんは会社にも責任を問い、困惑しています。このような場合、会社はどう対応すべきでしょうか。
重要なポイント
- パワハラに対して適切な調査が求められます。
- 申告が事実であれば、人事の見直しや懲戒処分を検討すべきです。
- 会社が十分な対策をしていない場合、賠償責任もあるため、対策が不可欠です。
- 労働専門弁護士への相談も重要です。
- パワハラ相談が多い業種は、建設業、製造業、情報通信業など多岐にわたります。
パワーハラスメント(パワハラ)への対応
パワーハラスメントとは
パワーハラとは、職場での地位や人間関係を悪用し、業務範囲を超えて精神的・身体的な苦痛を与える行為です。会社としては、適切な対応が求められ、使用者責任による賠償責任なども負うことがあります。
社内での防止体制
パワハラ防止には、会社としての体制が必要です。
- 使用者の方針の明確化と周知
- 相談窓口の設置
- 事実調査と適切な措置
- 再発防止措置
実際のケース
部下Aと上司Bの間で問題が発生しました。Aはアルコールに弱かったのに、Bが強要しました。翌日にも体調が悪いにも関わらず車の運転を強要され、その後も激しい口調で辞めろと言われました。Aは休職し自然退職に至り、会社はBのパワハラの責任を負い、150万円の慰謝料を支払う結果となりました。
まとめ
パワハラ対策は企業にとって重要な課題で、早期発見・早期対応が求められます。適切な方針、対策、再発防止の取り組みを進めることで、職場の健全な環境作りにつながります。最悪の結果を招かないために、会社全体での取り組みが必要です。
パワーハラスメント(通称:パワハラ)への対処法
事実調査の重要性
- 事実調査は最初のステップです。
- 被害者の話をしっかり聞きながら、全てを真実と決めつけないように注意する必要があります。
- 加害者とされる人の話も大切に聞きましょう。
- 指導・教育の範囲内の場合もあれば、重大なパワハラも存在するので、的確な事実調査が大事です。
懲戒処分を行うかどうか
- パワハラの事実が認められる場合、懲戒処分の検討が必要です。
- 処分は戒告・減給・出勤停止・懲戒解雇などがあります。ただし、簡単に処分をするのは避けるべきで、以下の要点を考慮することが大切です。
- パワハラの具体的な状況
- パワハラの回数
- 被害の程度
- パワハラに至る背景・目的
- 加害者と被害者の関係
- 仕事への影響
- 加害者の反省や謝罪の有無
解雇処分までを行うか
- パワハラの形態によっては、重い処分が不適切な場合もあるため慎重に判断します。
例:加害者が軽く頭を小突くなど、指導熱心な余りについてしまった場合など。
このようなケースでは、解雇は重すぎる可能性があります。
従業員のパワハラへの対処は、弁護士との協力がおすすめ
事前予防のための弁護士利用
- パワハラを未然に防ぐための体制作りが必要です。
- 労働実務を考慮した法的な労働管理の専門家に相談するのが一番です。
- 安全衛生の対策も、労働弁護士のサポートが不可欠です。
パワハラが発生した場合も弁護士のサポートが必要
- パワハラが発生した後の緊急対応には、専門の弁護士が必要です。
- 企業のために労使トラブルを防ぐサポートを提供します。
- 継続的なサポートも重要で、顧問契約の締結をお勧めします。
具体的な解決事例もありますので、参考にしてください。
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